林檎´ さんの感想・評価
4.0
二人の絆よ、永遠に・・・
この世にはドッペルゲンガーと呼ばれる現象が存在する。だがそれは間違いだったのだ。正確には、ドッペルライナーシステムといい、同じ姿をした人間が3人存在するという。その中にルートという存在が居て、残り2人がサブという存在である。サブとルートが出会った時、サブは死ぬ・・・。
この作品は、そんな運命に抗う者たちの壮大な物語だ。主人公は元神霊(もとつみたま)と呼ばれる存在のクロ、そして幼い頃から悲しい運命を背負って生きてきたサブの存在である慶太。この二人が契約したことで物語は動き出す。やがて、世界の運命を賭けた壮絶な戦いに巻き込まれる・・・!!
最高でした・・・。
バトルが、ではなく、運命に抗う主人公たちの姿に心打たれたんです。最初は、お互いを信じる心は皆無に等しかったのに・・・最後はどうでしょう?もう一心同体ですよ。シンクロ率120%の勢いですよ!
「最初は敬遠の中だったのに、お互いの絆が深まっていく」みたいな展開はありがちな設定のように感じます。
まあそんな数ある作品の中でも、お互いの命を支え合っていくような絆が生まれる作品ってこれだけなのでは?(多分?w)
バトルがメインの作品ですが、お互いのシンクロ率は戦闘能力に比例していくんです。だからこそ、最終的に絆が最も深いコンビとなる、クロと慶太が最強なんです。
しかし、運命は残酷でした。
残酷な運命により、最終的に二人は永遠に離れ離れとなるのです。
ほんとに悲しかった。最後の最後で、クロが口にした本当の気持ちに泣かされそうになりました。泣かないまでも、胸がギュッと締め付けられる思いになります。
ですが、二人は離れていても、心はいつまでもひとつだったんです。
最後まで慶太は、最後までクロは、お互いの事を忘れませんでした。
最後のシンクロは、終わったけど、二人の心は、二人の絆は、きっといつまでも続いていくことでしょう。
・・・思い返すとジワジワと想いが溢れてくる、そんな作品でした。・・・でも、そんなことも良くある話ですよね。
ここまで書けるのは、別の理由があるんです。
幸せすぎた。
最後が幸せすぎて、逆に辛い、そんな作品でした・・・。